スペクトルの強さの分析
2つある画像のうち重要なのは上の方の画像である。下の画像はコンピュータでは極限をとれないことが原因で大きい角振動数が生じたので参考に載せた。なので誤差として無視してよい。
さて、上の画像をみると、横軸が10と20のところに鋭いピークがある。つまり10番目と20番目の角振動数においてスペクトルの強さが強いということになる。具体的にこのときの角振動数を計算すると、離散的フーリエ変換(PDF形式)に記述した角振動数 2πn/Nh から、上記のプログラム例で x の刻み幅は 0.01 、得られたスペクトルの強さのデータの個数から N を約
1000 に等しいとして、
2X3.14X10 ÷ (1000X0.01) = 6.28 = 2π
2X3.14X20 ÷ (1000X0.01) = 12.56 = 4π
となる。確かにフーリエ変換した関数が持つ角振動数と全て一致している。
ではスペクトルの強さはどうだろうか?予想として f(x) のそれぞれの角振動数の係数の2乗の比から 4:25 となるはずである。GNUPLOTでの出力結果からはわかりにくいので実際の出力データを見てみると、
0 -52.420680426559009 0.0 2747.9277363834267
1 25.40028590318969 -41.377809184938094 2357.2976169089243
2 16.604798259233405 -24.170212729361889 859.91850861244825
3 -0.89431323945362584 -19.100797230635198 365.64025101610326
4 -12.478301237626592 -10.590058586519373 267.85734264286606
5 -8.7467276530201232 -7.3471112557273743 130.48528844014277
6 -0.503167680759154 -16.127874931378031 260.36152751713246
7 -0.023415197660089815 -24.484401939781112 599.48648662023845
8 -1.0955888581423205 -19.543123697553504 383.13399880396292
9 4.4965077880292528 -8.9780747411361332 100.82440834523436
10 55.691975823745139 -1011.6348673932472 1026506.7010969055
11 3.8035066147768859 5.2696849762386178 42.236242317446532
12 -4.0415864955007139 14.152421202497447 216.62544729351302
13 -3.847447228848818 18.120003188047146 343.13736571361522
14 -2.7761110620657519 8.5213181570811383 80.319655763124516
15 -9.0799250966792577 -2.8928194421643 90.8134440862696
16 -12.705564305149846 -2.2766446146921049 166.61447501390444
17 -2.0946076472409447 4.3907612247825458 23.666165328934166
18 14.821778598919446 4.3628670301157113 238.71972955785719
19 22.129990500075415 -2.1232355188209988 494.24460860181119
20 258.46814034512045 -2514.1958483233975 6387986.5433000736
21 26.834026757978254 15.809831730238654 970.01577138635389
以下続く
一番右側の列がスペクトルの大きさを表す。10と20の欄の数値から比を求めるとほぼ 4:25 である。よってこれも理論的な比とほぼ一致している。
この一連の流れでフーリエ変換のイメージがつかめただろうか。実際に数値計算を行えばフーリエ変換の意味がつかめてくると思う。